徒然なるままに書き連ねたくなること。教員になろうと熱かった、あの大学時代を思い出して、思わず郷愁すら感じる心地なった反面、若気の正義感で不条理に立ち向かおうとした自分を懐かしく思い起こした(許せん!)。

query_builder 2022/07/03
ブログ
虎の3兄弟

今日で、東京は9日連続の猛暑日を記録し、連続記録の新記録を樹立したらしいが、東京だけでなく、ここ地方都市の宇都宮でも、いや〜連日の暑さが体に堪える。


事務所内で、熱中症予防も兼ねて冷房を気温高めの28度に設定して、一日中つけっぱなしにしてはいるが、何かの用事で外出すると、外気温が如何にすごいかよくわかる。


顧問先から依頼された、急ぎの会社設立登記の仕事を、他の仕事と並行してここ連日朝からずっとしているが、大体の下準備は揃って、後は依頼者の署名押印を待つ状態までになったので、どちらかというと、自分では手薄となる会社法の分野の勉強に、これからのことも考えて力を注いでいる。


ところで、テレビを見ていたら、俳優の間宮翔太郎さん主演で、島崎藤村の不朽の名作「破戒」が、映画化されてこの現代に蘇るというニュースをを知った。


名作「破戒」は、今までにも何度か映画化されて、その重いテーマと相まって、その時代時代の人々にさまざまな問いかけをして来た、ある種の問題作だが、今回も、コロナ禍に苛まれる、この現代においてだからこそ、また違った意味での問いかけをしてくれるのではないだろうかと考えている。


自分も、大学時代に「破戒」に出会って、当時一番の関心事でもあり、その意味で部活も教育科学研究会に入っていたこともあり、教員という立場から教育の現場で、その不条理を生徒に強く訴えかけようと、熱く願ったものに、被差別部落問題がある。


藤村の破壊を読んで以来、当時の自分は、夢中になって同和問題(被差別部落問題)関連の書物を読み漁り、そして部室に行っては、自分が尊敬する博学の先輩にいろいろと教えを乞うた。


勉強すればするほど、その理不尽な差別に、心底からの怒りが沸々と湧き上がってきたのを、まるで、昨日のように思い起こされる(こう書いている間にも、気持ちは怒りの感情に変わってくる…)。


ただ、被差別部落という土地に生を受けたがために、なんの言われもなく、生きるためのさまざまな重要な人権を奪われた結果、周囲の人々からは罵倒の嵐を浴びせられ、死ぬまで素性を隠し、身を隠すような生き方を強いられるのだ。


学校では差別されていじめられ、就職もできず、できたにしても就職先でも言われなき差別を受け、巡り合った恋する人とはこの世で決して添い遂げることを許されない。


実際、ここ栃木県の真岡市で起こったやるせない悲痛な事件を思い出したが、結婚を誓い合った若い男女が、一方が被差別部落出身だと分かった途端に、親や親戚中の猛反対を受け、思い余って心中を図りこの世を去ったというものだ。


これは、被差別部落問題の悲劇のほんの一握りの事件であり、氷山の一角にすぎないが、こんな理不尽で不条理なことが罷り通っていいはずがない。


主演の間宮翔太郎さんは、インタビューで古い小説ではあるもの、現代に通じる普遍性があると、まさに核心を突いた発言をしていたが、そのとおりで、この社会を見回せば、いじめ、パワハラ、セクハラ、その他諸々、多種多様な差別のオンパレードであり、コロナ禍でもってますますその陰湿さは増したように感じてならない。


江戸時代以前から続く被差別部落問題は、未だもって解決に至っていない深刻極まりない問題だが、なんとか全ての不合理な差別問題が、少しでも明るい方向に向かって欲しいと願うばかりだ。

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