Q&A

ご質問や疑問にも一つひとつ丁寧にお答えしております

安心感のある丁寧な対応を徹底しお喜びいただいてまいりました

相続や離婚離縁に関するお手続きは専門知識を要するものも多く、手続きや書類準備をしようと思って調べても、専門的過ぎてよくわからないというケースも少なくありません。ちょっとした疑問やご不安なども安心してご相談いただけるよう、常にアットホームで安心感のある雰囲気づくりを心掛け、相談者様の目線に立ちわかりやすいご説明を徹底しております。また、これまでにお寄せいただいたご質問と行政書士の私からの回答とをまとめて掲載しておりますので、様々な手続きでのお困りごとやご利用の際の疑問解決にお役立ていただけます。

よくある質問

  • テレビショッピングを見て、思わず衝動買いしてしまいましたが、後で冷静になって考えると、普段使用するとは思えない商品でした。今からでもクーリングオフが可能でしょうか?

    通信販売には、クーリングオフの適用はなく、これは、テレビでの通信販売やカタログ通販だけではなく、インターネットでの販売にも同じことが言えます。


    ですから、質問事例ですと、クーリングオフはできないということになります。


    これは、どうしてかと言うと、これらのケースでは、直接の勧誘行為がないことから、購入者は、販売員に影響されずに、自分の自由意思でもって購入したと考えられるためです。


    ただ、現実には、通信販売業者が、通信販売で売却した商品の返品を受け付けているケースが多いのですが、これは、あくまでも、その業者のサービスに過ぎず、本来のクーリングオフではありません。


    でも、通信販売において、返品特約が付いている場合には、返品方法、送料などの内容を表示しなければならないことになっていて、また、返品特約の着いていない場合にも、その旨を表示しなければなりません。


    なので、返品できるかどうかは、カタログなどで、よく確認しておくことをお薦めします。

  • ショッピングモール内にある特設会場で開かれていた、有名デザイナーの洋服の展示販売会で、30万円もする斬新なデザインの洋服を購入してしまいましたが、後でクーリングオフはできるのでしょうか?

    先ず、クーリングオフができない場合として、営業所で購入した場合が挙げられます。


    それ以外では、「一定期間にわたり指定商品を陳列して販売し、店舗に類するもの」において購入した場合も、クーリングオフができません。


    そして、その具体的な内容としては、通達が次のように定めています。


    ⑴最低でも2、3日以上の期間、⑵指定商品を陳列し、消費者が自由に商品を選択できる状態のもとで、⑶展示場等販売のための固定的施設を備えている場所で販売を行う場合であること。


    ですから、質問事例の場合においては、通達の条件のうち、⑴の期間要件が問題となるでしょう。


    展示販売がその日1日であれば、クーリングオフも可能でしょうが、通常は、2日以上にわたるでしょうから、クーリングオフできる場合とはならないでしょう。

  • よく訪問販売とかで、クーリングオフという言葉を耳にしますが、それはどういうもので、どういった場合に適用されるのでしょうか?

    クーリングオフとは、一定の契約に限り、一定期間、説明不要で、無条件で申込みの撤回又は契約の解除ができる法制度のことを指しますが、法文上で明記された言葉ではありません。


    クーリングオフの適用要件としては、⑴契約したのが営業所以外の場所であること⑵契約書が交付された日から8日以内であること⑶現金払いの場合、代金総額が3,000円以上であること⑷クーリングオフしたいものが、法令で指定された商品、役務、権利であること⑸クーリングオフしたいものが、法令で指定された消耗品の場合、開封したり使ったりしていないこと、等が挙げられます。


    ですから、例えば、路上で誘われ、営業所に行って、店員から奨められた化粧品などを、開封の上試用した場合などは、上記⑸の要件に触れてしまうため、原則としては、クーリングオフができないことになります。


    ただ、営業所の店員が、言葉巧みに「良いものですから、試しに使ってみてください」などと誘導して、お客さんに化粧品等を開封の上使用させた場合には、クーリングオフは可能になると考えられます。

  • 【コーヒーブレイク】私たちの身の回りで、不動産会社経営とか不動産売買とかよく耳にしますが、では、具体的には、どういった物が不動産であり、それは、実際の生活上で、どんな意味を有する物なのでしょうか?

    まずは、定義ですが、不動産とは、法律上は土地及び建物のことを指し、それぞれが別個独立して、固有の不動産ということになりますので、例えば、ある土地(敷地)の上に平屋の家が建っているからといって、その建物が、土地の付属物ということにはなりません。


    そして、それら不動産の意味というか、存在意義ですが、例えば、ご自分が建売の分譲地を購入して住んでいるとしますと、そこは、ご自分の生活の本拠地であり、人生を送る上での安らぎの場であるとも言えますので、日用雑貨品である等の物に比較して、比べ物にならない程の重要価値を持っています。


    そこで、法は、そういった不動産の重要性に鑑みて、日用雑貨品などの動産という物とは違った方式を取っています。


    それは、どういったものかと言いますと、動産には採用されていない、登記という不動産独自の取引上の制度で、具体的には、法務局(登記所)において、不動産取引の経緯を書き記して、不動産登記簿に保存しておくことです。


    これがどんな意味を有するかというと、例えば、Aという人が、Bという人に、自己の所有する土地建物を2,000万円で売却したとしますと、仮にきちんと売買契約書という書面を交わして、双方の合意のもと、Bが売買代金全額の2,000万円をAに支払ったとしても、もし、そのすぐ後に、Aが、悪知恵を働かせて、購入希望者のCにも1,000万円で売却した上で、所有権移転登記を済ませてしまうと、先に購入して自分のものだと安心していたBは、Cからの「自分のものだから」という要求に応じざるを得ない結果となり、結局、Bは、その土地建物を手に入れられないことになってしまいます。


    このように、登記というのは、非常に重要な意義を有し、怠ると大変な不利益を被りかねない結果となりますので、くれぐれもご注意願います。

  • パートでも、正社員と同様に年休をもらえるのでしょうか?また、会社が解雇するのには、解雇予告が必要になるのでしょうか?

    パートが、正社員に比べて短時間労働であり、通常は、正社員への登用も予定されていない、という性質を持つものであったとしても、年休がまったく不要という結論にはならないので、法律上は、正社員の年休に比例する形で、年休を認めています。


    解雇予告については、労働基準法が、2か月以内の期間を定めて使用される者が、この期間を超えて引き続き使用されるに至った場合には、解雇予告が必要だと定めています。


    したがって、ほとんどのパート労働者の場合には、解雇する時に、30日前に解雇予告をするか、30日分以上の平均賃金である解雇予告手当を支払う必要あるでしょう。


    もちろん、解雇予告をすれば、常に解雇できる訳ではなく、解雇するには正当な事由が必要となります。

  • 私はパートで働きに出ていますが、会社からいきなり辞めてくれと解雇通告を受けました。そう言われたら、正社員ではないので、会社の言いなりにならないといけないのでしょうか?

    パートの従業員だからといって、なんの前触れもなくいきなり辞めてくれというような、会社の言いなりになる必要はありません。


    パートの定義は曖昧ですが、正社員が、終身雇用制の下で雇用が保障される雇用形態であるのに対して、パートは、比較的労働時間が短いなどの点で、正社員とは異なった取り扱いがなされる雇用形態を指すものと考えられます。


    ただ、現在では、終身雇用制度は壊れつつあるので、パートでも、フルタイムで働く方もいるなど、その差は不明瞭になっています。


    しかし、その差がなくなってはいない以上、異なる雇用形態と言えますが、そうかといって、パートの方を、いつでも簡単に解雇できるというのは間違いです。


    最高裁の判例でも、「パートタイマーといえども何らの理由がないのに解雇することは、解雇権の濫用と推定を受ける場合が生じる」として、理由のない解雇が許されないことを示唆しています。


    ただ、その場合でも、「パートタイマー労働者を解雇する場合の理由は、フルタイム労働者を解雇する場合に比較して相当軽減される」とも述べています。


    つまり、パートの場合には、正社員に比較して、解雇理由が緩和されることを認めているので、雇用の安定性という意味では、正社員ほど安心できるものではないと言えます。。

  • 家庭裁判所で成年後見人に選任された場合には、ほとんどきちんとした意思表示ができない本人のために、成年後見人はどのような業務をするのですか?

    成年後見人は、本人の代理人ですから、基本的には、ほとんど全ての財産を管理する権限を有していますし、本人が行った法律行為を取り消す権限も持っていますが、日常生活に関する行為についてだけは、本人が単独で行うことになっています。


    もちろん、成年後見人は、このような代理権などを有しているからといって、何をしても許されるというものではなく、あくまでも本人保護の制度であることから、本人の意思を尊重する義務がありますし、本人の心身の状態、生活の状況に配慮する義務がありますので、主な職務としては、大きく、①財産管理②身上監護の二つに区分けされます。


    ①の財産管理ですが、読んで字の如く、本人の財産を管理する業務を行うので、成年後見人に就任したら、まず、本人の財産を調査して、財産目録を作成し家庭裁判所に報告しなければなりません。


    そして、本人の預貯金の管理、税金、光熱費等の支払いなどを行うことが、通常の業務となりますが、ただ、本人の居住用の財産を処分する場合には、その重要性から、事前に家庭裁判所の許可が必要になります。


    ②の身上監護ですが、具体的には、介護サービス契約の締結、施設への入所契約、医療契約の締結、それに要介護認定の申請といったことも業務の範囲に属します。


    さらに、入所施設での適切な看護や介護がなされているのか等の監視業務も、本人保護の目的では必要になってきます。

  • 父は、アパートの家賃収入で生計を維持しているのですが、痴呆の症状が進行して不動産管理ができる状態ではなくなりました。成年後見を申し立てることを、知人から勧められましたが、どのようにすればいいのでしょうか?

    質問事例の場合には、不動産業をされているということですので、仕事柄当然に、他人との賃貸借契約の締結、契約借主に対する賃料請求等々といった、複雑な法律行為を扱うことになるので、痴呆の症状が進行して、是非弁別がつかない意思無能力の状況になっては、その行なった法律行為自体が無効になる危険があります。


    そうなると、それまでの契約も無効になる恐れがあると同時に、法律行為の相手方としても、信頼を裏切られる結果となって、安心して契約を結ぶことはできません。


    ですから、成年後見を申し立てるのが妥当であると考えますが、その申し立て方法としては、本人(質問事例の父)の住所地を管轄する家庭裁判所に、申立権利者である本人、配偶者、4親等内の親族などが請求することになります。


    申立後は、家庭裁判所の方で、後見を開始するべきか否かを、本人の判断能力が欠けているのが通常の状況にあるのか、という観点から判断します。


    その調査の流れとしては、①申立人に対する事情聴取②本人に対する調査③後見人候補者の調査④医師への鑑定依頼、ということになります。


    そして、判断能力の欠如が常況にあるという判断がでれば、成年後見人が選任され、後見業務が開始されることになります。

  • 父の痴呆症が進行し、入院先の病院に行っても、だんだんと息子である自分のことが、分かりかねる状況になってきました。そこで、そんなときのために成年後見という制度があると聞したが、それはどういったものなのでしょうか?

    成年後見制度とは、例えば、高齢などによって判断能力が衰えた人は、自分の財産の管理や介護、施設入所などの契約が十分にできなかったり、生活していく上で、悪徳商法や詐欺的取引の被害に遭ったりなどの危険が高くなることに対処するためのものです。


    だから、そういった判断能力が衰えた人達を保護し、後方から支援する制度が、成年後見制度です。


    これまでも、判断能力が衰えた人達を保護する制度としては、禁治産宣告や準禁治産宣告の制度がありましたが、特に、その名称からくるイメージが悪いためか、十分に活用されなかったという一面があったので、それらが廃止されるのと同時に、新制度として、成年後見制度が創設され、法定後見と任意後見の二つに区分されました。


    前者の法定後見とは、家庭裁判所の審判により開始される制度で、後見、保佐及び補助の三種類があります。


    簡単に言えば、後見とは、判断能力を欠くことが常況にある場合に対処する制度、保佐とは、判断能力が著しく不十分だが、それが常況とまでは言えない場合に対処する制度、そして、補助とは、判断能力が著しくとまではいかないが、それが不十分な場合に対処する制度です。


    そして、後者の任意後見とは、自己の判断能力が不十分になった場合に備えて、本人が、事前に代理人との間で、財産管理、身上監護の事務について、代理権を与えるとの任意後見契約を結んでおくものです。

  • 協議離婚した元夫が、決められた養育費を支払ってくれていたのですが、近いうちに破産すると聞きました。破産したら、養育費を支払う義務もなくなるのでしょうか?

    結論から申し上げますと、破産しても養育費を支払う義務は残りますので、安心してください。


    破産して免責されると、原則として、借金などの支払い義務は一切なくなりますから、支払い義務のある債務である養育費も、免責により支払い義務がなくなるように思われますが、そうなると、その養育費を当てにして生計を営んでいる側は困窮してしまいます。


    そこで、平成17年初めから施行されている新破産法では、免責されない債務(支払い義務の残る債務)に養育費などが追加されました。


    だから、最初の結論どおり、養育費を支払っていた元夫が破産して免責許可を受けても、養育費の支払い義務までは免責されずに、依然として支払い義務が残るということになります。

  • 夫の暴力が原因で離婚したのですが、夫は執念深い性格なので、離婚後も付き纏って暴力を振るうのではないのかと不安でなりません。暴力を止めさせる方法はありますか?

    質問事例のように、配偶者からの暴力が原因で離婚し、その後も暴力被害の危険性が考えられる場合には、DV(ドメスティックバイオレンス)防止法の規定を利用することをお勧めします。


    これは、正式名称を「配偶者からの暴力防止及び被害者の保護に関する法律」と言いますが、当初は、その保護の対象を、「配偶者からの身体的暴力」に限定していました。


    しかし、質問事例で危惧するように、離婚後も引き続き暴力を受けることがあったので、法改正により、その保護の対象を、離婚・内縁解消後にも引き続き暴力を受ける場合にまで拡大しました。


    また、身体的暴力だけではなく、これに準じる心身に有害な影響を及ぼす言動も含まれることになりました。


    なお、保護の対象は、「配偶者」ですので、女性(妻)から暴力を受ける男性(夫)も含まれます。


    そして、DV防止法は、配偶者からの暴力防止と被害者保護の目的で、国や地方公共団体、警察等に義務を定めると同時に、裁判所による保護命令で被害者保護をより確実なものとしています。

  • 離婚届の不受理申し出ができると聞きましたが、それはどういうもので、手続きはどうすればいいのですか?

    離婚届の不受理申し出とは、例えば、相手方配偶者から自分の意に沿わない離婚届が提出されるおそれがあるときに、事前に役所に離婚届は受理しないで欲しいとの旨を、申し立てておくものです。


    役所は、離婚届に必要事項が記載されていればそれを受理する、仮に、証人欄に証人の記載があっても、その人たちに離婚の真偽を確認したりしないので、相手方配偶者に無断で離婚届を提出することも可能なわけです。


    不受理申し出は、夫婦の住所地又は本籍地の役所に、そこに備えてある書面ですることになりますが、夫婦の住所地の役所に届け出した場合には、そこから本籍地の役所に送付されることになるため、タイムラグが発生し、その間に離婚届を提出されてしまうという不都合もありますので、急を要する場合などには、本籍地の役所に提出されることをお勧めします。


    また、この不受理申し出の効力期間は、6ヶ月と規定されていますので、必要とあれば、再度不受理申し出をする必要があります。

  • 夫婦の間が上手くいかなくなり、離婚することになりました。協議離婚を考えていますが、どのようにすればいいのでしょうか?また、その際に注意すべきことはどういったことでしょうか?

    協議離婚とは、夫婦間での話し合いで離婚を決めたら、役所に離婚届を出すだけで成立する離婚方法で、手順としては、当事者以外の大人2人に証人になってもらい、役所に備え付けられた離婚届にお互いが署名して窓口に提出すれば、形式審査で受理されます。


    その際に、未成年の子供がいる場合には、必ず、親権者をどちらか一方に決める必要がありますので注意をしてください。


    また、婚姻のときに、氏を改めた当事者は、当然に、夫婦の戸籍から除外されることになりますから、元の戸籍に戻るか、新戸籍を編成するのかを決めなければなりません。


    原則的には、離婚すれば、婚姻前の氏に戻ります(復氏の原則)が、社会生活上の不都合もあることを考えて、離婚後3ヶ月以内であれば、婚姻中に称していた氏を引き続き使用することを申し出て(婚氏続称の申し出)、それを使用することが可能となります。


    しかし、子供の氏は、離婚に関係なく変動はありませんので、例えば、離婚により、父を筆頭者とする戸籍から、親権者となった母が抜けても、子供は筆頭者父の戸籍に残りますから、婚姻前の氏に復氏した親権者などと、子供との氏が異なるという現象が生じますが、その時には、必要とあれば、親権者は、家庭裁判所に子の氏の変更許可を申し立て、許可を受けることで、変更ができる、つまりは、親権者の戸籍に子供を入籍できることになります。

  • 【コーヒーブレイク】タクシーに乗っていて交通事故に遭い、乗客の自分が頚椎捻挫の怪我を負いました。治療費などを支払ってもらおうと思っていますが、どのようにしたらいいでしょうか?

    質問事例が個人タクシーの場合であると考えると、個人のタクシー運転手と乗客であるあなたとの間には、先ず、旅客運送契約という法律関係が成立していますので、個人タクシー運転手は、乗客を目的地まで最も早く到着する合理的な道順を選んだ上で、かつ、乗客を安全に目的地まで運び届けるという債務を負担することになる一方で、乗客は、降車の際に定められた運賃を支払うという債務を負担します。


    ですから、その途中で過失に基づく交通事故を起こし、乗客に怪我を負わせたということは、「乗客を安全に目的地まで届ける」という債務を怠ったことになるので、もし、お互いの間では話し合いによる解決ができないようなら、債務不履行を原因に損害賠償を請求するとした、裁判所に話し合いによる解決方法の調停を申し立てるか、民事訴訟を申し立てることもできます。


    さらに、この場合には、旅客運送契約と別に、過失によって怪我を負わせ、病院に罹る治療費などという損害を与えたという意味で、不法行為に基づく損害賠償請求も可能かと思います。


    そして、責任の追及方法については、旅客運送契約責任と同様に、お互いの話し合いができない場合には、裁判所を利用することが可能になります。


    ただ、ここで民事訴訟の場合に注意が必要なのは、少し話がややこしいですが、裁判所が、当事者の言い分を聞いても事実が確定できないときに、どちらに判断をする上での不利益を負わせるかという、立証責任の問題があります。


    立証責任の面で見ると、前者の旅客運送契約上の債務不履行を原因とした損害賠償請求の場合には、債務者(タクシー運転手)において自分に過失がなかったことを立証しないと、損害賠償の責任を免れないのに対して、後者の不法行為に基づく損害賠償請求の場合には、被害者側(乗客)において加害者(運転手)に過失があったことを立証しないと、損害賠償請求は認められない点に違いがあります。

  • 遺産分割したいと思い、相続人全員が集まった際に協議を申し出たのですが、共同相続人のうちの一人(次男)が協議に応じてくれず話し合いができません。どうしたら遺産分割協議ができるのでしょうか?

    遺産分割協議をしたいと思う相続人は、話し合いでの解決を希望するのであれば、相続人全員を相手(質問事例では次男)に、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所又は当事者が合意で定める家庭裁判所に、他の共同相続人が共同で申立人となって、遺産分割の調停を申し立てることができます。


    家庭裁判所で行う手続には、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てして、審判官(裁判官)が判断する審判というものもありますが、通常は、いきなり審判を申し立てしても、当事者による話し合いが適切だということで、家庭裁判所によって遺産分割調停に付されてしまいます(付調停)。


    遺産分割の方法としては、現物で分割するのが原則です(現物分割)が、遺産が不動産しかなく、当事者で分けようがないという場合には、その不動産を競売して、その売却代金を分割するというものもあります(換価分割)。


    また、共同相続人の一人が遺産を取得し、その者が、相続分の代償として、債務を負担するという方法で分割することもあります(代償分割)。


    ただ、原則の現物分割ができない場合には、当事者間での紛争が長期化する傾向にありますので、注意を願います。

  • 父が亡くなったのですが、その遺産として、土地や建物、それに預貯金もあります。そこで、遺産分割協議をした上で、その協議書を作成したいのですが、どのようにすればよろしいのでしょうか?

    先ず、遺産分割の方法についてですが、共同相続人全員で行わなければなりませんので、一人でも参加させずに協議した場合には、協議が成立してもその協議自体が無効となります。


    ですから、例えば、どうしても連絡が取れない音信不通の相続人がいる場合には、家庭裁判所での不在者財産管理人を選任してもらってから、適宜の手順をとって遺産分割協議を行う必要があります。


    また、父又は母が亡くなって、相続人の子(ひとりの場合)が未成年者である場合には、その未成年者と配偶者相続人たる親権者の父や母は利益相反しますので、その子供の利益保護のために特別代理人を選任する必要があります。


    ただ、遺産分割協議には全員の参加が必要なのはもちろんですが、それは必ずしも一堂に会する必要はなく、遺産分割協議書の原案に順番に署名してくという方法でも有効です。


    次に、遺産分割協議書の作成方法ですが、協議書は共同相続人全員の合意書という性質を有しますので、相続人各人が、その原案の内容をよく確認した上で、通常は、その書面の重要性からして、印鑑登録証明書を添付して、実印を押印します。


    印鑑は、実印の必要はありませんが、遺産に不動産がある場合には、実印でないと相続登記ができませんし、預貯金がある場合には、金融機関は実印でないと解約等に応じてくれないという不都合がありますので、実印使用をお薦めします。

  • 高齢の両親がいるので、今後のために、相続のことについて基本的なことを伺いますが、相続人とか相続分というのは具体的にどういったものを指すのでしょうか?

    その前に、相続について、その定義を言いますと、相続とは、自然人(生きている人間のこと)の財産などの様々な権利義務を、他の自然人が承継することを意味します。


    そして、相続人とは、その承継する「他の自然人」のことを指し、民法では、大きく、配偶者相続人と血族相続人の別に区分けしています。


    前者の配偶者相続人とは、戸籍上の婚姻関係にある夫や妻を指し、後者の血族相続人とは、一定の範囲内に属する血族であることで相続権を取得するもので、具体的には、子供や父母といったものを指します。


    さらに、血族相続人には相続権に順位があり、第1から第3順位まで規定されており、第1順位が子供であり、第2順位が直系尊属で、例えば父母などであり、第3順位が兄弟姉妹となります(但し、難しい概念の代襲相続人などは除いています。)。


    次に、相続分についてですが、相続財産に対する分数的割合の相続分と考えて、被相続人が遺言で決めた指定相続分は別として、民法で定める法定相続分を見てみますと、常に相続権を有する配偶者と子供が相続人の場合には、配偶者が2分の1で、子供が2分の1になり、配偶者と直系尊属が相続人の場合には、配偶者が3分の2で、直系尊属が3分の1になり、最後に、配偶者と兄弟姉妹が相続人の場合には、配偶者が4分3で、兄弟姉妹が4分の1になります。


    そして、子供が複数人いる場合には、頭割りで均分に相続するため、例えば、二人なら、2分の1の2分の1で、それぞれ4分の1ずつとなり、これは、直系尊属の場合でも、兄弟姉妹の場合でも同様です。

  • もっとも身近な遺言書である自筆証書遺言書を作成するのに、法律上で注意しなければならない点とはなんでしょうか?

    自筆証書遺言書は、誰の関与も受けることなく、自分ひとりだけで作成できるので一番身近に感じられますが、やはり、自己の財産を死後に相続人に相続させる法的効力を発生させるという意味では、遺言書として重要なものですので、きちんとした法的要件が定められています。


    民法では、その点、遺言の内容、日付、氏名を自筆で書き、押印する必要があると定めていますので、例えば、「令和3年8月」とのみ記載し、日付を記載していないものは、遺言書として無効なものとなってしまいます。


    また、遺言書を書くには、年齢が満15歳以上であることが必要ですが、さらに、事理を弁織する能力(遺言能力)も必要になります。


    そして、遺言によって法的効力が生じるのは、財産上の処分など法律上の限定があるので、それ以外のことを遺言書に記載しても法律上の強制力はありませんので、例えば、「兄弟仲良く喧嘩をしないように」などと記載しても、法的な強制力はありません。


    また、法律関係の複雑化を防止する意味で、1通の遺言書で共同で遺言をすることはできません(共同遺言の禁止)ので、1通の遺言書で夫婦が共同で遺言をしてもその遺言書は無効となります。


    それに、内容上でも、死後に紛争を残すような遺言をすることは避けた方がいいと思いますので、例えば、相続人として、複数の子供たちがいる場合に、そのうちの一人に全ての財産を与えるというような遺言をすることは、有効なものであっても他の子供たちの遺留分を侵害しているため、当然に紛争が起きることが予想されますので、できれば避けるべきでしょう。

  • 私は、建売マンションの一室を購入した者(区分所有者)ですが、この度、そのマンションの管理組合の理事に選任されました。管理組合とは、どういった業務をするのでしょうか?

    先ず、マンションの管理組合とは、マンションの所有者(区分所有者)全員で構成するマンションの建物や敷地を維持管理する団体を指します。


    マンションの所有者であれば、特にそれに参加する意思表示をしなくても、当然に管理組合の構成員となります。


    これは、マンションに関しての特別法である区分所有法で、管理組合の設立が義務化されており、区分所有者は必ず加入しなければなりませんので、例えば、「購入した部屋や使う部分(エレベーターなど)は自分で管理するので加入しません。」という訳にはいきません。


    そして、管理組合の具体的な業務としては、ペットの飼育禁止などの専有部分(区分所有者の部屋など)の使用規制、共用部分であるエレベーター付近への駐輪禁止や駐車場の賃貸、管理費未納者に対して未納分を請求するといった徴収措置を規定するなど、マンションの維持管理全般を請け負っています(実際には、主に、共用部分の清掃や修理等、区分所有者が快適に過ごせるような改善に取り組んでいます)。


    その維持管理運営方法等は、区分所有者の中から選任された理事という代表者数名で構成する「理事会」というグループによって行われています。


    この理事の専任方法については、通常、抽選や輪番制といったものが取られています。

  • 家族にも、誰にも知られないように遺言書を作成したいのですが、どのような方法があるでしょうか?

    質問事例の趣旨は、自分だけが分かる遺言書を作成したいということでしょうから、通常は自筆証書遺言書を作成するということになるでしょうか。


    自筆証書遺言書は、遺言者が、遺言内容の全文、日付及び氏名を自筆で書き、そこに押印すれば成立する遺言書のことで、枚数制限はありません。


    自筆証書遺言書は、証人も必要ないので、いつでも自分自身で作成可能ですし、遺言した事実を秘密にもしておけるし、公正証書遺言のように費用もかかりません。


    ただ、証人もいませんから、誰かによる偽造や変造が可能だという危険や、全文を自筆で書かなければならないので、ワープロ打ちをして作成した場合には、自筆証書遺言自体が無効になるというリスクもあります。


    以上のように、自筆証書遺言には、法定の厳格な有効要件が定められているため、その有効性を巡って裁判になることも多々あります。


    ですから、遺言者の死後、つまり、相続開始後に紛争が予想される場合には、誰かに知られることは承知の上でも、公証人が関与する公正証書遺言の方式をとることをお薦めします。

  • 【コーヒーブレイク】国内にいる外国人(日本国籍を有しない人)には、様々ある人権のうち、どのような人権が保障されるのでしょうか?

    今、東京オリンピックの真っ最中で、外国人選手達が大勢日本に来日していますが、我が国の憲法には、外国人に関する規定は置かれていません。


    だから、例えば、外国人選手達にどんな人権が保障されるのかは、法解釈によることになります。


    形式的に、条文上「何人も」とか「国民は」と主体が明示されてことで区分けするという考え方もありますが、判例(マクリーン事件)は、「権利の性質」に照らして、日本人のみを対象としているかどうかで分けているようです。


    それによると、外国人に保障されない人権の例としては、性質上、参政権(国の政治に参加する権利)、生存権(国民の健康で文化的に最低限度の生活を営む権利)が挙げられます。


    逆に、外国人にも保障が及ぶ人権の例としては、平等権(人は法の下に皆平等であって人種や信条等々によって差別されない権利)、精神的自由権(学問の自由が典型の内心的自由権や表現の自由などの外部に発信する自由権など)、経済的自由権(職業選択の自由や財産権など)が挙げられます。


    時々、選手達の間からも、突然に、身の危険を感じるから、母国には戻りたくない、亡命したいなどといった、要請が出されることもありますので、そういった場合には、根本的に憲法上どうなのだろうかとか、考えてしまいますね。

  • 借主が荷物を残して借家を出てしまい、行方不明となりました。次の人に入って欲しいので、残置物を処理して新しい借主を探して、入れてしまっても構いませんか?

    残置物を家主が勝手に処分することは、法的にはできません。


    それをすれば、他人の所有物を無断で廃棄なりしたということで、民事上は、損害賠償請求の対象となったり、いくら家主でも、他人(借主)の住居に無断で踏み込むことはできませんので、残置物処分のために、マスターキーを使って勝手に入り込んだりすれば、刑事上、重い場合には、住居侵入罪に問われることにもなりかねません。


    ですから、家主としては、時間と手間はかかっても、借主の数ヶ月の家賃滞納を理由として民事訴訟を提起し、勝訴判決を得た上で、建物明け渡しの強制執行及び残置物の動産執行をすることになると考えます。


    その際、相手方(被告)が行方知れずなので、その旨の資料を添付の上で申し出をして、訴状の送達は、訴状の副本を裁判所の掲示場に二週間掲示して、相手方に届いたことにする、公示送達という方法が利用できますので、心配はいりません。

  • 賃貸マンションを退去したのですが、大家さんが、敷金は部屋のクリーニング費用に充てるという理由で、敷金を全く返してくれません。このまま、敷金は返してもらえないのでしょうか?

    いえ、通常の場合には、敷金は全額返してもらえます。


    ここで、通常の場合にはと申し上げたのは、借主が、借りている期間内に、部屋(賃借物)を普通に使用して生活していた場合を意味しています。


    借主は、部屋の退去時に、その中を原状に復さねばならない義務(原状回復義務)を負っているのですが、それは、決して、借りる当初の状態に戻さねばならないという義務ではなく、少なくとも中にある自分の持ち物を運び出し、部屋内をきれいな空き部屋の状態に戻して、貸主に返せば済むという義務を指します。


    ですから、そのきれいな空室状態で、借主が戻して原状回復義務を果たすなら、貸主は預かっていた敷金を、原則全額返さねばならないことになります。


    確かに、その退去の際には、長年そこに住んでいたのですから、例えば、壁紙の汚れや、畳のくぼみなどといった、借りる当初とは違う状態があるかと思いますが、それは、通常使用による経年劣化であり、その損耗分は、毎月の家賃に含まれるものと言えます。


    その反面、その通常使用の範囲を逸脱した、例えば、タバコの焦げ跡や刃物で削った柱傷など損耗分は、原状回復義務のあるものとして、敷金から差し引かれても仕方がないでしょう。


    そして、賃貸借契約書において、通常使用に基づく経年劣化の損耗でも、借主が負担しなければなならい、旨の条項が取り決められていることがありますが、大阪高裁は、「消費者に一方的に不利益な特約は無効である」と規定した、消費者契約法を適用して、通常損耗分まで、借主が負担する必要はないと判断しました。

  • 相続に関して、限定承認という制度があると聞きましたが、それはどういうもので、相続放棄の制度とどう違うのでしょうか?

    概括的に言えば、限定承認というのは、通常の相続(単純承認)のように、亡くなった被相続人の有していた債務を一切承継するというものではなく、相続人が、相続財産を限度とした有限責任を負担する相続の方法です。


    ですから、相続放棄のように、相続人は、初めから相続人にならなかったものとして、積極財産も消極財産も一切全て承継しないとするものではなく、相続財産が持つ積極財産の範囲内でのみ、債務負担を行いますというものです。


    それに、相続財産が、債務超過であるかどうかは、清算してみなければ不明な場合が多く、相続放棄で一切承継しないとするよりも、相続人にとって利益となることもあります。


    ただ、その行使方法は、相続人が複数いる場合には、その共同相続人全員で、原則として、相続開始を知った時から3か月以内に、管轄の家庭裁判所に限定承認の申述をしなければなりません。


    そして、その管轄家庭裁判所にて、申述受理の審判があって初めて、限定承認の効力が発生します。


    でも、ここで注意が必要なのは、限定承認による有限責任は、債務自体を減少させるわけではないので、例えば、相続債権者は、相続人に対して債務全額を請求することができ、判決も全額について言い渡すことになる一方で、強制執行については、相続財産の限度において執行できる旨の留保を付けるべきことになります。

  • 家賃の支払いをたまたま失念して支払いが1回滞ってしまったら、家主さんから直ぐに出て行って欲しいと言われてしまいましたが、出ていかないといけないのでしょうか?

    結論から言えば、質問事例の場合には、ケースにもよりますが、出て行く必要はないでしょう。


    確かに、一般に使用されている賃貸借契約書では、借主が、家賃の支払いを一度でも怠った場合には、退去せねばならないことが規定されていますので、それを厳格に解釈すれば、借主はその場合当然退去しなければならないようにも思えます。


    しかし、裁判所は、もっと融通性のある解釈をしていて、賃貸借契約のような継続性のある契約においては、契約当事者間の信頼を破壊するような事情がない限り、契約の解除を認めていません(信頼関係破壊の法理)。


    ですから、質問事例の場合には、借主が、以前にも家賃の支払いを度々怠っていたというような、家主との信頼関係が揺らぐ事情がある場合は別として、家主から賃貸借契約を解除されて、出ていく状況にはならないと考えます。


    ちなみに、家賃の未払いが、家主との信頼関係の破壊を招き、契約解除により出ていく事態となるのは、通常3、4か月分滞納し、家主が支払い請求しても、期限までに支払われない場合だと考えられます。

  • 新築のマンション購入後間もなくして、めまいや頭痛に襲われるようになりました。代金を返してもらって出て行きたいのですが、認められるのでしょうか?

    それは、まさに、シックハウス症候群の問題かと思われますが、その主な原因は、壁紙などの接着剤として使われている、トルエンやホルムアルデヒドによるものだと言われています。


    最近では、建築基準法の改正により、ホルムアルデヒドなどの化学物質は法規制の対象となりましたが、化学物質はそれ以外にもありますので、安心できるものではありません。


    そこで、このシックハウス症候群を発症した場合に、家主や分譲業者に対して、過失責任が問えるか否かが問題となります。


    この点に関して、過去の裁判例では、予見可能性がなかったとの理由で、家主の過失責任を否定したものがありますが、だた、この当時は、シックハウス症候群はまだ知られた病名ではなかったという事情も関与しているかと思います。


    ですから、シックハウス症候群が周知されてきた現在、このような事例で裁判の結果が変わる可能性は十分にあるかと考えます。


    質問事例では、購入後すぐに頭痛などの症状が出たのですから、当然にシックハウス症候群が疑われるので、先ずは、分譲業者に対策を取ってもらい、それでも症状が快復しないようなら、損害賠償又は解除しての代金返還請求が可能であると考えます。

  • 【コーヒーブレイク】学校で、子供がいじめられているようなので、担任の先生に相談したのですが、積極的に動いてはくれません。自分の子供に何かあったらと思うと気が気ではありません。何かいい方法はないでしょうか?

    いじめについては根が深いものですから、一概にこうしたらいいとか述べられませんが、担任の先生が動いてくれないのであれば、学校長や教育委員会に相談を持ちかけるという方法があるもの一手です。


    そもそも、教員には、学校における生徒の安全の確保に配慮する法的義務があるわけで、それを疎かにした挙句、教え子が事故にあったり、自殺したりするなどの深刻な事態に発展すれば、教員や学校それにいじめた子供の親を相手に損害賠償請求訴訟も可能ではないかと思います。


    しかし、仮に訴訟で勝ったとしても、いじめで傷ついた子供の心の傷が癒えるとは言えないでしょうし、ましてや、自殺した子供が戻ってくるはずでもないわけで、そういう意味では、裁判は、当事者全員にとって禍根を残すだけの結果となるかもしれません。


    私自身も、学生時代にいじめられた経験があり、その時には親にも誰にも相談できずに、本当に学校に行くことが嫌で、死にたいと本気で思ったりもして、悩み抜いた思いが蘇ります。


    私の場合、たまたま手に取った太宰治の「人間失格」という本に救われました。


    感情の描写が赤裸々に描かれていて、当時の私は、「こんな偉い作家でも、こんなに苦しみ抜いたのか」と、太宰が、まるで自分の親しい友人のように思えて、なんとかその時期を切り抜けられた記憶があります。


    ですから、私は、いじめられている子供たちには、「自分が逃げ込める大切な場所、共感できる貴重な何か」を探して頂きたいと願っています。


    そうすれば、つらい時期も乗り越えられるのでないかな。

  • 遺言書の保管制度ができたと伺いましたが、それって今までの遺言書の制度と違って、何かメリットがあるのでしょうか?反対にデメリットなどはあるのでしょうか?

    はい、新制度である法務局で保管する自筆証書保管制度にも、やはり、メリットデメリット双方あります。


    では、メリットやデメリットについて、大まかにご説明します。


    この保管制度は、証人2名が立会い、公証人の前で作成してもらう公正証書遺言には適用されず、遺言者本人が、主に自筆で作成する、自筆証書遺言に適用になります。


    そして、この制度は、従来の自筆証書遺言では、遺言書の存在が把握されないというリスクがあったのを軽減するために考え出されたもので、さらに、遺言書の紛失、破棄、改ざん、隠匿などによる相続紛争を防止する意味合いも兼ねて、相続手続の円滑な運用を期待して考案されました。


    ですから、メリットとしては、第1に、自己が相続人等になっている関係遺言書が、遺言書保管所に保管されているかどうか証明した、遺言書保管事実証明書の交付を請求したりできて、自筆証書遺言書を生前に作成していたかどうかの把握が容易になりますし、第2に、従前の場合には、家庭裁判所での検認という手続きが必要だったものが、この制度ではそれが不要となりましたし、第3に、立法趣旨で述べた、自筆証書遺言書の紛失や隠匿等の防止が可能になりました。


    その反面で、デメリットとしては、この保管制度を利用するためには、法務省令で規定する様式に従って、遺言書を作成する必要があるうえに、遺言者本人が法務局に出頭して申請する必要があります。


    さらに、この保管制度でも、遺言書の内容については審査されないため、法律知識がない者が作成した遺言書の場合には、後々、内容の不明確さや遺言の効力等をめぐって紛争になる危険が伴います。

  • マンションの郵便受けに、子供に有害なビラなどを入れるのを止めさせたいのですが、どうすればいいでしょうか?

    条例で禁止されている場合と、そういった条例がない場合とに分けて考えられます。


    先ず、条例で有害ビラ(有害の有無は社会規範が基準でしょう)の配布が禁止されている場合には、もし、そういった配布行動をとっている人を見かけたら、直接に警察に通報する旨を申し付けたり、自治会や管理組合等で掲示板に警告表示を掲げるなどし、それでも効き目がない場合には、実際に警察に通報するといいと思います。


    そして、条例で有害ビラ配布禁止規制がない場合には、そのような観点での警告行動はとれませんが、そもそも、住民達の意思に反して、マンションの敷地内に入り込む行為自体が、刑法上の建造物侵入罪に該当しますので、警察に通報すれば逮捕されることにもなるでしょう。


    実際に、オウム真理教事件において、配布目的でマンション内に侵入した信者が逮捕されたという事例もあります。


    どちらにしても、掲示板等で、住民の拒絶意思を明確にするなりの実績を積むことをお勧めします。

  • 以前はペットを飼ってもいいとしていた、マンションの管理規約が変更になり、ペット禁止となりました。今飼っているペットは飼えなくなってしまうのでしょうか?

    残念ですが、その可能性は高いと言えます。


    既に、以前から従前の規約に従って、ペットを愛玩している方にとっては、とても納得がいく話ではないかもしれませんが、このことが争われた裁判において、東京高裁は、ペット禁止への管理規約の変更について、有効であるとの判断を示しています。


    すなわち、マンションにおいては、戸建ての相隣関係(近隣関係)に比べて、相互に及ぼす影響が重大であるために、他の入居者の生活の平穏を保証する見地から、自己の生活にある程度の制約を課せられても仕方がない、という考慮が働いているうえに、マンション内でのペットの飼育は、有形無形の影響を他人に及ぼすとの配慮も関わってきます。


    さらに、この判例は、ペットの飼育者の生活を豊かにする上で、ペットの存在は有意義ではあるが、その生活及び生存にとって、ペットは必要不可欠な存在とまでは言えない、との旨も述べてもいます。


    ですから、ペットの愛好者からすれば、何とも腑に落ちない判断でしょうが、現実からは逃避できませんね。

  • 賃貸マンションに住んでいますが、隣の住人が毎晩のように友人を集めて大騒ぎをするので、ぐっすり眠れた日がありません。どうにかならないでしょうか?

    直接、相手方に注意して済むものでしたらいいのですが、場合によっては、暴力沙汰などの深刻な事態にもなり兼ねませんので、お勧めはできません。


    むしろ、大家(貸主)さんに言って、大家さんから注意してもらいましょう。


    大家さんには、借主(住人)が快適に過ごせるように環境を整える義務があると同時に、それに違反して迷惑を掛けている借主に対して、それを止めさせる権利と義務が伴っています。


    ですから、それを放置している大家さんに対しては、騒音で迷惑を受けている借主(住人)は、騒ぐのを止めさせるように請求することができます。


    もし、それでも何もしない大家さんに対しては、損害賠償請求ができるでしょうし、賃貸借契約の解除も可能になります。


    もちろん、迷惑を掛けている隣の住人に対しては、不法行為に基づく損害賠償請求も可能になるでしょう。

  • 父親の遺産である100万円の銀行預金を、共同相続人である兄と私で、2分の1の割合で分割取得する旨の遺産分割協議をしましたが、その後に、想定外の多額の債務があることが判明しました。相続人の兄と私でその借金を返済しなければならないのでしょうか?

    場合によって、返済の必要はないものと考えます。


    質問事例において、仮に、遺産分割協議者である相続人が、その分割協議当時に債務がないと誤信していて、当初から多額の債務(借金等)の存在を知っていたら、遺産分割協議を行わずに、相続放棄を申述していたと考えられ、被相続人と相続人の生活状況や、他の共同相続人との協議内容によっては、遺産分割協議そのものが要素の錯誤(協議内容における重要な勘違いのようなもの)により無効(今は取消し)となり、結局は、法定単純承認(法定された相続の承認行為とみなされる事実)の効果も発生しないと見られる場合は、相続人が「債務の存在を知ってから3か月以内」にした相続放棄の申述は、受理すべきであるとした裁判例があります。


    参考にしてみてください。

  • 【コーヒーブレイク】憲法14条1項の「法の下の平等」が最近注目されていますが、昔、この平等権について、こんな最高裁判決が議論を呼びました。

    最近、巷で、ジェンダー(社会的・文化的に作られる性別)の偏見や不平等を是正しようとする動きが活発ですが、生まれ持った性と自分の自覚する性とが食い違い、社会からも爪弾きにされる状態になるとしたら、これは本人にとっては死活問題であり、社会に平等を訴えたくなる気持ちもわかりますよね。


    ところで、昔、最高裁が出した判決でこんなものがあります。


    事案は、実父に夫婦同様の関係を強いられてきた被告人が、虐待にたまりかねて実父を殺害し、自首したというものです。


    最高裁は、15人の裁判官全員で組織される合議体の大法廷で、刑法200条の尊属殺人罪の規定を、憲法違反であって無効だとし、刑法199条の普通殺人罪の規定を適用して、被告人に執行猶予の判決を下しました。


    結論自体は、憲法14条1項の法の下の平等原則に則ったもので、私は至極妥当だと思いますが、批判の的となったのは、その理由に関してです。


    15人の裁判官のうち8人が、「尊属(父親)に対する尊重報恩という道義を保護するという立法目的は合理的であるが、刑の加重の程度が極端であって、立法目的達成手段として不合理である」とした点です。


    つまり、規定趣旨自体は妥当だが、あまりに刑罰が重すぎる(「死刑か無期懲役のみ」)ので、憲法に違反して無効だと言っているのだが、これでは、尊属(父親)に過度の人権侵害行為をされても、目上の尊属なのだから我慢しなさい、と言っているようにも思えて、私も少し酷いのではないのかと疑問が残ります。


    皆さんはどう思いますか?何かの機会に考えてみるのもいいですよ。


    ちなみに、6人の裁判官は、少数意見として、「立法目的自体が違憲」である旨述べています。


    そして、その後、この尊属殺重罰規定違憲判決によって、立法府である国会の議決で刑法200条は削除されました。もっともな結果だと思いますよね。

  • 20年以上通行していた通路を、その所有者が、塀を作って通れなくしてしまいました。でも、長年通行していたので、通行権を時効取得できるのではないですか?

    通路を通行できる場合としては、大きくだいたい3分類できるかと思います。


    第1、自己に何らかの通行権がある場合、第2、自分には通行権がないが、法律で通行できる場合、第3、所有者の厚意等で通行できる場合です。


    質問事例では、時効取得を問題としているので、3分類のうちの第3のケース、所有者の厚意等で通行できる場合だと思います。


    この場合、通行者である質問者には、通行権はありませんから、権利がないということは裏を返せば、所有者には、通行させる義務もないということなり、通路の所有者が、その意思を翻して、塀を設置したりすることも可能だと、言わざるを得ません。


    では、時効取得の点はどうでしょうか。


    確かに、通行者は、20年以上にも亘り通行していたので、年数からして通行権を時効取得できそうにも見えます。


    しかし、この点に関して、最高裁は、その判断の中で、通行(地役)権を時効取得するためには、通路を自分で開設することが必要だとしています。


    ですから、ただ、長年通行していたという事実だけでは、通行権を時効取得することはできないと考えます。

  • 隣から雨水が入ってくるのですが、なんとかならないでしょうか?

    雨水の流入については、民法は、大まかに、自然的排水と人工的排水の二つに区分して、法律上の効果などで違いを持たせています。


    前者の自然的排水については、例えば、自然のままの土地の形状である高低差によって、高地から低地に雨水が流れて来る場合には、低地の住人には我慢しなさいという態度を原則的に見せている(214条)反面、後者の人工的排水についての原則、つまりは、自然の形状等ではなく、人工的に排水設備を備える等の場合には、隣地に直接雨水が入り込むような工作物を設置してはならない(218条)とされています。


    ですから、後者では、その法的効果として、例えば、これに違反した場合、雨水の流入を受けた隣地の住人は、雨水を流した隣人に対して、被った損害の賠償を請求できますし、今後、雨水が入って来ないように設備を整えて欲しいと請求することも可能です。


    質問事例の場合、仮に、自然的排水に当たる場合には、雨水の流入を甘受ぜざるを得ないと思いますが、人工的に作った設備でもって、排水が流れて来る場合には、損害賠償なり、予防の設備の設置要求なりができると思います。

  • 隣の家の塀が、私の敷地に侵入して設置されている場合、なにか請求ができるのでしょうか?

    境界を越えて、あなたの家の敷地内に侵入していることが確定していれば、あなたは、隣の人に対して、塀を撤去して侵入している土地を明け渡すように請求ができます。


    ただし、侵入状態が、すでに20年以上になっているときには、相手方隣人が、時効取得していることもありますので、注意が必要です。


    他方、境界が確定していない場合には、そもそも境界から越境しているかどうか分かりませんので、裁判所でもって、境界確定訴訟を起こして、境界を確定してもらう必要があります。


    その際には、裁判所は、公法的な性質を有する境界の特色上、当事者の合意には拘束されずに、公図、境界石、道路状態などの様々な証拠でもって、境界の位置を確定します。


    質問事例では、仮に、境界が確定していないとすれば、隣地との間の塀は有力な証拠となり得ますので、裁判所は、そこを境界と認定する可能性が高いと言えます。

  • 私の父は、交通事故で重体となり、近くの病院に搬送されました。かろうじて、意識はしっかりしていましたので、死を覚悟した父は、その場で遺言を作成することに決意しましたが、自筆での遺言は無理なために、緊急時の遺言として、死亡に直面した危急時遺言を選択しました。その遺言は、自筆での遺言(自筆証書遺言)とどういう違いがあるのでしょうか?

    生命の危険が間近に迫っている場合には、自筆証書遺言よりも緩和された要件の下で、しかし、遺言者の最終意思は確保される条件の下での、特別な方式での遺言(危急時遺言)が認められています。


    具体的には、遺言者自身による署名などは不要である反面、証人3人以上が立会い、そのうちの一人に遺言の趣旨を口授して行う必要があり、筆記後も、遺言者及び筆記者以外の証人らに読み聞かせたりなどした上で、その筆記が正確であることが承認されれば、各証人がそれに署名押印する必要もあるというものです。


    さらに、危急時遺言の場合には、利害関係人などが、20日以内に家庭裁判所に、確認の手続を申立てなければなりません。


    ここでいう確認は、遺言が遺言者の真意によるものかどうかを審理する手続であるのに対して、遺言書の検認は、その偽造変造を防止し、その保存を確実にするための、一種の検証手続であるので、その性質が異なります。


    ですから、確認を経た遺言も検認手続は必要となります。簡単に言えば、以上のような感じですので、危急時遺言は、自筆証書遺言より、ある面(署名が不要など)では要件が緩和されていますが、別な面(証人の立会いが要件など)で、その特質上の違う要件が加算されている、まさに、特殊な遺言と言えます。

  • 私の夫は、約10年前に突然家を出たまま、一切の連絡がないため、生きているのかどうかも分かりません。今、私は生活に困窮しているので、夫の銀行預金を解約して、生活費に充てたいのですができるでしょうか?そして、現在同居中の彼と結婚したいと考えていますが、夫のいる身で可能でしょうか?

    民法上、失踪宣告という制度がありますが、それは、不在者の生死が7年間明らかでないときには、家庭裁判所は、利害関係人の請求により、失踪の宣告することができるものです(30条1項)。


    この場合の7年間の起算点は、不在者(質問事例では夫)の生存が認められた最後の時点であり、その翌日から起算して満7年間が失踪期間となります。


    例えば、平成20年1月31日が最後の時点(日)ならば、満了(失踪)期間は、平成27年1月31日となります。


    手続きとしては、法律上の利害関係人(例えば、不在者の配偶者)の家庭裁判所への申立てにより、話し合いの調停ではなく、様々な調査を経た上で、専ら審判で失踪宣告の可否を裁判官が判断することになります。


    もし、失踪宣告が出された後、不服申立て(即時抗告)期間を過ぎて、失踪宣告が確定すれば、失踪宣告を受けた不在者は、7年の失踪期間の満了時に、死亡したものとみなされます(31条)。


    そのため、失踪者については、相続が開始されると同時に、婚姻も解消されます。


    これを、質問事例に当てはめると、家庭裁判所で夫の失踪宣告が確定したら、死亡したとみなされるため、妻(質問事例での私)は、仮に、妻のみが相続人であれば、単独相続人となって、銀行預金の解約ができて生活費に充てられるし、現在同居中の男性とも、重婚とはならずに、正式に婚姻できることになります。

  • 【コーヒーブレイク】自宅の軒下に放置しておいた自転車を旅行中に盗まれました。放置しておいた私も悪いのですが、盗んだ人は罪に問われますよね?

    質問事例の場合、窃盗罪になるかどうかの問題だと思います。


    窃盗罪の構成要件と言って、こういう場合には窃盗罪になるとの規定が、刑法の235条にあります。


    それを見ると、犯罪の主体が、「他人の財物を窃取した者」となっていて、おおまかに言えば、他人が持っている財産価値のある物をわざとひそかに持ち去った者、というイメージになるでしょうか。


    そして、他人が持っている状態が、「占有の事実」ということですが、質問事例の場合、この点が中心の問題ですかね。


    この点、「占有の事実」とは、占有者(質問事例での私)が、本問の自転車に対して「事実的支配」を有していることを言いますが、それは、物理的支配力の及ぶ場所内にある場合のほか、ちょっと難しい表現ですが、社会観念上、財物の支配者を推知し得る一定の状態におかれている場合も指す、とされています。


    その意味からすれば、「自宅の軒下」の「自転車」ということで、自転車(財物)の持ち主は当然に推測できると思われるので、盗んだ人には、窃盗罪の責任を問えると考えます。

  • 境界について、公図と現況が異なりますが、このような場合にも、公図に基づいて境界は決められるのしょうか?

    当事者間に境界紛争が生じますと、ときに公図だけを根拠に、「公図でこう決められているのだから、従ってもらわないと困る。」というように、強く境界を主張して争う方がいますが、それは、公図が登記所に備え付けられていることから、公図の記載が絶対的なものだと信じ切っているからかもしれませんね。


    しかし、公図自体は、主に、税金の徴収目的で、区画と地番とを明確にするために、明治時代に作成されたものがほとんどですので、境界に関しての地形的なものについては割と正確かも知れませんが、かたや、面積という点では、決して正確なものとは言えません。


    むしろ、現況と公図とが、地積の面で違っているということは、度々あることです。


    従って、境界争いが裁判所に持ち込まれても、裁判所における公図の信用度は高くはなく、公図だけを証拠として提出しても、相手方が争っている場合には、それだけでもって自分の主張が認められることはほとんどないと言っても過言ではありません。


    ですから、質問の事例ですと、境界は、決して「公図のみ」に基づいて決められる訳ではないと考えます。

  • ゴミの集積場所が、自宅の目の前に設置されており、ゴミを出される度に、生ゴミなどの悪臭やカラスの糞害などに悩まされています。このままこの状態を我慢しなければならないのでしょうか?

    一戸建てが並ぶ団地などを例に考えますと、多くの市町村では、ゴミの集積場所に関しては、各自治会の判断に任せているようで、その設置場所についても、各自治会内での会員各自の協議で決めるのが原則です。


    ですから、質問の事例ですと、自治会内でゴミ集積場所の変更であるとかを協議するのがいいかと思います。


    例えば、ゴミ集積場所を、不公平のない持ち回り制である輪番制にするとかを、提案する方法があると考えます。


    ただし、その輪番制の提案が自治会の協議で否決されれば、そこでの解決は難しいでしょうから、裁判所での調停なり、司法機関を利用した話し合いの手続きを申し立てることになります。


    それも、あくまで当事者同士での話し合いが基本ですので、調停が決裂すれば、残るは民事裁判で決着をつける、ということになると考えます。


    過去の裁判例では、ゴミの集積場所の前に住んでいる人が、ゴミを出している人を相手に、集積場所を輪番制にするように訴えた裁判で、輪番制に反対している相手に、ゴミを出してはいけないという、判決が出されたケースがあります。

  • 多額の借金を残して父が亡くなりました。父には財産と言えるものはほとんどありません。父の相続人は息子二人で、兄である私と弟です。私たち二人には、それぞれ家族があり、父の残した多額の借金を相続することで、一家離散となっては困ります。その借金を引き継がないようにする方法はありますか。

    方法はあります。


    積極財産、つまり、預貯金等及び消極財産、つまり、借金等を問わず、被相続人(質問事例では父)の権利義務を一切承継しないようにするためには、家庭裁判所に相続放棄の申述をすることです。


    相続放棄の申述は、相続の効果が自己に帰属することを拒否する旨の相続人による意思表示で、相続開始後(質問事例では父の死後)、 相続が開始した地(通常は被相続人の最期の住所地)を管轄する家庭裁判所に、相続人が自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内にしなければなりません。


    ここで、相続人が自己のために相続の開始があったことを知った時とは、原則として、相続人が、相続開始の原因となった事実及び自己が法律上の相続人となった事実を知った時を意味します。


    そして、家庭裁判所の受理審判によってその効力を生じ、相続放棄の申述者は、その相続(質問事例では父)に関しては、初めから相続人とならなかったとみなされます。

  • 配偶者の夫は、交通事故で瀕死の重体になり、数日後に搬送先の病院で亡くなりました。その後、入院中に書かれたという遺書が見つかり、その内容は愛人である女性に全ての財産を譲るというものでした。ただ、筆跡もおかしく、夫は入院直後から危篤状態で意識も朦朧としていたことから、この遺言書は偽造であり、無効であると思われますが、無効であることを確認できますか。

    確認は可能です。


    この事例では、自筆証書遺言と思われますので、先ずは、家庭裁判所での遺言書の検認手続を行ったうえで、検認済み遺言書の写し等を添付して、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所等に遺言無効確認の調停申立てをすることになります。


    この手続を経て、調停に代わる審判もなされずに、調停が当事者間に合意が成立する見込みない等の理由で、調停不成立となった場合には、必ずしも調停をすることが、訴訟を起こす要件とはなっていませんが、通常、調停が不成立となった旨の調停不成立証明書等を添付して、被告(相手方)の住所地を管轄する裁判所等に、遺言無効確認の訴えを起こすことになります。

  • 「自分に何かあったら、開いてくれ。」と言われて、封をされた自筆の遺言書を前に父から手渡されて預かっていましたが、この度その父が亡くなりました。その遺言書の中身を確認したいのですが、息子の自分が勝手に開封してもいいのでしょうか。

    勝手に開封することは控えた方が無難です。


    この場合の遺言書は自筆証書遺言と思われますが、その場合、その遺言書を保管していた人(質問事例では息子)は、勝手に開封はせず、そのままの状態で、速やかに家庭裁判所に提出して、検認という手続を取る必要があります。この手続を怠って、勝手に家庭裁判所外で開封したりすると、5万円以下の過料に処せられます。ちなみに、過料とは犯罪に対応した刑事罰とは異なります。


    その他、検認の請求義務を負う相続人(質問事例では息子に相続資格があれば息子)が、遺言書を隠匿したりすると、相続欠格者となり、その相続人は、今回亡くなった被相続人の方(質問事例では父)との関係では、相続資格を失うことになりますので、注意してください。

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