事務所への早朝の訪問者。それは、今交際中の彼氏のDV(ドメスティックバイオレンス)に悩む若い女性でした(・∀・)
まだ、起きて朝食後間もない午前8時前の事務所の扉越しに人影がある。
「うん…」と思って、立ちすくんでいると、間もなくして「すいません、すいません。」という若い女性の声。
この格好ではさすがにまずいと思って、とりあえずパジャマから短パンに着替えた。
そして、事務所のカーテンを開けて外を見ると、背がすらっとした外見で20代後半か?という若い女性が佇んでいる。
たぶん、そのように表現するのが適切だと思えるほど、彼女は、私の目の前で行儀よくお辞儀をして微笑んでいた。
私は、かなり動揺していたと思うが、若い女性がこんな早朝から事務所を訪問してくるなど考えもしていなかったので、「あっと〜、どうぞ、どうぞ。」という風に、事務所の中に招き入れた。
すると、彼女は、「こんな朝早くから、先生、本当に申し訳ありませんが、これからご相談の方宜しいでしょうか?」と言いながら深々頭を下げて、長い時間再度お辞儀をする。
私が、「いえいえ、大丈夫ですよ。」と、依然として戸惑いを隠せないといった表情で答えた後、また、「どうぞ、どうぞ。お座りください。」と、手招きしてソファーに座ってもらった。
そして、備え付けの「受付票」に氏名、日時、電話番号を書いてもらった後、続けて「相談内容の概略をここに記載してください。」と、場所を手で指示すると、いきなり、「彼氏のDV」についてと書き始めたではないか。
私が、それを見て、小さな声で「えっ。」と驚いたのが聞こえてか、彼女は、少し気まずそうに微笑んだ後、小声で「すいません。」と言いながら、その後も書き続けた。
こりゃ、今回は、早朝から重い題材が来たぞと思いながら思考を巡らせ構えていると、書き終わった彼女の方もそれを承知の上でか、「先生、朝から本当に個人的な重い問題ですいません。」と、またも深々頭を下げる。
私が、「大丈夫ですから、なんでもお話ください。」と、できる限り和やかな雰囲気を作り出し、彼女の話にじっくり耳を傾け相談に乗った。
彼女は、彼氏との馴れ初めから話し始め、今に至る経緯を思いの丈語ってくれた、少なくともそう自分は受け取った。
いつも慣れ親しんだ、遺産分割や遺言書作成の法務相談といった、相続に関するものであれば、受けた側の相談手順はだいたい決まっているので、その要件に沿ってスムーズに事を運べるのだが、今回のようなDVというレアケースの法務相談では、先ず相談手順に配慮せねばならないし、事の性質上も慎重になるべく要注意だ。
要約すると、彼女が言うには、付き合い始めた当初はとても優しかった彼氏が、ここ数ヶ月に至って、何が不満なのか、何かにつけ彼女に対して、暴言暴力を振るうので、同居していたマンションの一室を出て、今は実家に身を寄せているのだといい、そして、俯き声を震わせ涙した。
その姿を見て、聞きいるだけだった私は、相談を受ける者として本当に彼女に同情してしまった。
そして、「だいたい内容は把握できました。では、現在は別に住んでいるんですね。」と確認した上で、「あなたとしては、今後どうしたいと思っているのでしょうか?」と質問すると、「もう結婚しようとか思えませんので、精神的な苦痛を味わった分を慰謝料として払ってもらいたいです。」とはっきり言うので、「では、その事を文章にして内容証明郵便で相手に送ってみるということでいいですか?」と、一つの方法を提案すると、「それでお願いします。」と承諾を受けたので、私は、今回の件をなるべく事実を詳細に法律構成して文章にまとめ、相手に送った。
今後、相手方がどのような反応をするのか分からないが、仮に、なんらかの反論をしてくるようなら、提携の弁護士に引き継ぐ以外に方策はない。
でも、時折、「人間は、本当に悲しい生き物だな。好きで一緒になったはずなのに、時の経過で憎しみに変わるなんてね。憎しみは何も産まないのにな…。」と、感慨に耽ってしまう。
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