やっぱり、事務所開きの独立士業は怖いですね〜(冷汗)
時間単位の忙しい合間を縫って、久しぶりに弁護士の弟が顔を見せた。と言っても、少し前に、私が相談を持ちかけていたからなのであるが。
相談を持ちかけていたのは、自動車事故に起因した保険金の支払いが、1年以上前に当事者間に、示談が済んでいる事案ではあるが、
つい最近になって、当事者にはなっていなかった別の保険会社から、直接に支払い請求を受けて、
「それは、もう終わったことで、おかしいんじゃないの?」ということで、
まず電話があり、その後事務所で相談を受け付けたものだ。
そして、自分なりになんとか法律構成をして、最終的に
「返す必要はないのでは?」と結論づけたものだ。
これは、途中に、依頼者が委任した弁護士さんが関与していた事案で、
その弁護士さんが、1年ほど放置した挙句、先方保険会社との示談の際に、ミスをしてしまったために、別な保険会社から返還請求を受けているという事情が絡むので、
私としては、様々な事実や情報を精査した結果、返還不要の結論を出した経緯がある。
弁護士である弟への相談は、その結果に相槌を打ってもらうがための、形だけのものであるはずであったのだが、
その結論たるや、
「確かに、概要としては、理論的にそうも言えるが、実質的に見れば、本来もらうべきではないお金を、所持しているという事実を捉えれば、それは返還するべきだろう。」
そして、
「相手が争えば訴訟になる訳だし、そうなれば結論が出るまでにお金も時間もかかってしまう。そう考えれば、理論だけではなく、現実的解決策を提示するのが士業者の役目では?」
という旨のことを言う。
私は、最初は納得がいかずに少し抵抗したが、最後は
「なるほど。」
と引き下がった。
理論と現実のギャップをどう埋めるかのバランス感覚が、法務サポートサービスをする業務には必要ということか。
出鼻を挫かれた、その後に、
「実はもう一つ…」
ということで、
前の日に事務所で受けた遺産に関しての相談について、これまた確認の意味で受付票や事案の内容を見てもらった。
「今度は大丈夫さ。」
と思って簡単な説明を始めたところ、
説明の途中で
「ちょっと待って。これ、半血の兄弟じゃないの?」
という。
最初
「うん?」
と思ったが、その後、事態に気がついた私は顔面から血の気が引いた。
相続人が、第3順位の兄弟姉妹ではあるが、一人は正妻の子で、もう一人は被相続人父の認知した愛人の子なので、嫡出子と嫡出でない子という関係になり、被認知者である子も相続人になると同時にその相続分は嫡出子の2分の1になるではないか。
なんと、こんな基本的なところを見落とすとは情けない。士業で相談を受ける許可もらっている自分を恥じた瞬間だ。
「しまった。どうしよう。」
と言うと、
「明日訂正すればいいんじゃない。」
と言いながら弟は笑っていたのだが、私は急ぎ訂正の文書を作成した。
今度は間違えのないようにと、何度も読み返した後、翌日の朝相手が働き始めた時間を考えて、事前に電話を入れてご挨拶に伺い(たまたま近所)、詳しく説明したうえに今後の方策などについても相談に乗ったうえで、説明もした。
なんとか、事なきに今回は終わったが、これが相手が「へんな人」だと噛みつかれかねないところだ。
それにしても、即断即決と正確性を求められる、この仕事の怖さも改めて感じた次第だ。ま〜即断即決とは言っても、慎重にやるべきだと反省頻りである。
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